乳がんの治療法についてご説明します。

■ 乳がんの治療法

乳がん治療の基本は、なんといっても手術です。たしかに女性にとって大切な乳房にメスを入れるわけで、大半の人は強い拒否反応を示します。

直径1cmの早期の乳がんでも、がん細胞の数は1億を超えています。このがん細胞の中には、活発に活動しているものから冬眠状態にあるものまでさまざまです。これらを一気に取り去ってしまうには、手術が最も効果的なのです。手術は痛い、怖いというイメージが強いのですが、現在は麻酔の進歩で手術中や手術後の痛みはまったく心配いりません。



女性にとって手術より乳房の喪失ということが最も大きな痛手ですが、最近では乳がんなら乳房をすべて切除してしまうという画一的な手術は行われなくなっています。最近では、施設により差はありますが、日本全体で約30%の患者さんに乳房を残す乳房温存療法が行なわれています。早期乳がんであれば、乳房温存手術が可能となります。

乳がんの手術は十人十色といわれるように、個人個人のがんの進み具合やがんの性格などによって、それぞれ異なった手術法が選ばれます。乳房温存が無理な場合でも、胸の筋肉を残す非定型的乳房切除術が行われている現在、乳房にこだわって手後れになるのは、なんといっても悔しいことなのです。

どうしても乳房喪失にこだわる人には、形成外科的に乳房を再建することも行われます。これは、自分の他の部位 の皮膚・筋肉・脂肪などを利用する方法と、異物を挿入する方法があります。

乳がんの治療には手術の他、放射線療法、内分泌療法、化学療法などがあります。これらの治療法は年々進歩がみられ、手術と組み合わせて行われます。手術はあくまでも局所療法なのですが、全身療法を組み合わせることによって、離れた部位 への転移を防ぎ、手術も必要最小限にする努力がはらわれているのです。乳房温存手術が可能になったのは、こんな背景があるからなのです。